桐タンスの収納~防虫剤って必要?

桐箪笥に着物などを収納する時、防虫剤はどうすれば
良いのか聞かれることがあります。
防虫剤が必要なのか、また防虫剤が着物に
悪影響を及ぼすことはないかなど、心配されます。

今回、その疑問を呉服屋さんで尋ねてみました。
防虫剤の使用については、
含まれている成分によっては、着物の金糸に化学反応を
おこして、黒くなったり変色することもあるそうです。
ナイロンやゴムなども溶かしてしまうこともあるそうです。
そもそも虫食いとは、着物に残った汚れや皮脂を虫が
食べる時に、一緒に着物(絹)もかじってしまうことで
発生します。

そのため虫食い予防には、
汚れを十分取り除いてから収納することが
大切なんだそうです。

着物を守るためには…
汚れを十分に取り除いて虫食い予防をすることと、さらに
しっかり乾燥させることが重要と教えていただきました。
湿度が高いと、
・カビや型くずれ
・絹、金糸や銀糸の変色の原因
・害虫の活動しやすい環境をつくる
さまざまなトラブルを引き起こします。
除湿のためにも、呉服屋さんには防湿剤(シリカゲル)の使用を
勧められました。

桐タンス自体は、高い調湿機能があるため,
衣類等を守ってくれます。
しかし桐タンスも様々な条件が重なると【カビ】が
発生してしまいます。詳しくはこちら

風通しを良くして湿度を下げ、汚れを取り除き、
防湿剤等を使用して、桐箪笥や着物を大切に
していただければと思います。

 

我が家は桐タンスの修理(洗い・削り直し)を行っています。
桐たんす再生工房おおいしについては、こちらをご覧ください。

そろそろ梅雨、桐タンスのカビ対策。

毎日暑い日が続いていますね。
夏を思わせるほど暑い日もありますが、これからは梅雨が
近づいてきます。
高温多湿なこの時期はカビが最も繁殖しやすくなります。
この様に桐箪笥にもカビが発生することがあります。

一度桐箪笥に発生してしまったカビを取り除くには、
削り直しが必要なため、その前にしっかり予防したいものです。

昨年もこのブログで桐たんすの『カビ対策』について書きました。
本格的な梅雨入り前にもう一度おさらいしてみます。

【カビ】を発生させないためのポイント
①風通しを良くして湿度と温度を下げる
・部屋全体を換気するために、1日に3~4回を目安に窓を開ける。
1回につき5~10分程度を目安にするといいそうです。
・桐たんすと壁の間は、5㎝開けておけば空気の通り道ができ
除湿効果が高まります。

②【カビ】の栄養となる”ほこり”や”皮脂”などの汚れを取り除く
カビは部屋以外にも潜んでいます。
こちらもしっかり対処をしたいものです。

☆エアコン:しばらく使っていなかったエアコン内は、
カビが繁殖している可能性があり、そのまま使用すると
カビの胞子が部屋中にまかれることになります。
1、掃除前に必ずコンセントを抜きます。
2、エアコン上部の埃やゴミを、水で濡らして固く絞った雑巾で
拭き取ります。
3、前面のパネルを外し、パネルとフィルターの汚れを取ります。
4、吹き出し口やルーバーの汚れを拭き取ります。
5、電源を入れて送風運転を行います。   (豆知識press参考)

☆洗濯機:洗濯機の中もカビが生えやすい場所です。
カビが繁殖したまま洗濯すると、衣類にカビが付くことがあります。
その衣類を桐たんすに収納すれば、桐たんす内でカビが繁殖します。
洗濯機を使用後は蓋を開けたままにし、水気を拭き取り十分に
乾燥させます。

昨年のブログはこちら。桐たんすの『カビ対策』
大切な桐タンスにカビが発生するのも嫌なものですが、
カビが原因で、咳や鼻水が出ていたということもあり、
健康面も心配です。
梅雨を前にカビ対策を心掛けたいものです。

 

我が家は桐タンスの修理(洗い・削り直し)を行っています。
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引出しの滑りをよくする、イボタ蝋

以前、桐タンスの表面の仕上げで使う
「カルナバ蝋」を紹介しましたが、
引出しの滑りをよくするためには
「イボタ蝋」というものを使っています。

なかなかパンチのある名前ですが、
イボタの木に寄生する、
カイガラムシの分泌するものから得る天然蝋です。

イボタ蝋とは・・・
カイガラムシの一種・イボタロウムシ
(イボタノキなどモクセイ科の樹木に寄生する)の雄幼虫が、
イボタノキの枝の周囲に群生して分泌した棒状の
蝋塊より得られる蝋。固く融点が高い。

木製品や生糸のつや出し、襖や障子の滑りを
よくするため、また、掛軸や巻物の裏側に擦り込んで
巻き取りやすくしたり、微粉末として古いSPレコードの
再生を助けるためにも用いられます。

桐箪笥に限らず、引出しの滑りが悪いなと思ったら、
ロウを塗るとスムーズに引き出せます。
木製の戸や襖、障子などの建具にも、
使うと滑りがよくなります。

引出しの滑りを良くする使い方
①引出しの側面の全体を、ジグザグにロウの面を使って
ささっとこする。
②底板全体が地板に接している場合は、底板全体に塗ります。
③本体も引出しと接する面に同じように塗ります。

もし滑りの悪い引出しなどで困っていたら、
試してみてはいかがですか。

 

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桐タンス修理~塗装・カルナバ蝋

主人は今、時代仕上げのロウ引き中です。

今回はロウ引きに使う「カルナバ蝋」のお話です。

桐箪笥の表面の仕上げには、
艶出し、保護、防汚のために、
このようにロウを塗って仕上げます。

ロウと言っても、普通のろうそくや
アロマキャンドルとは材料が違うんですよ。
この深緑色の物が「カルナバ蝋」といいます。

他にも、白っぽいのや、深い茶色の物もあります。
ツヤツヤしていて、
大きいチェルシー(飴)のようです。

カルナバ蝋は、車が好きな方なら
使われているかもしれません。
最高級のカーワックスは、合成ワックスを使わないで
カルナウバ(カルナバ)ロウ100%を謳っているそうです。

「カルナバ蝋」の詳しい説明
ブラジル産のカルナウバ(カルナバ)ヤシの葉から産する
植物ロウです。
天然植物ロウ中、つや・光沢性・強靭性・硬さ・
微結晶性などが最も優れ、他の油性原料を
まとめる硬度調整の機能が高く評価されています。
原料となるカルナウバ(カルナバ)ヤシは、
南米ブラジルの特産物で北東部に生育するものに
限られています。
その成長は遅く、ワックスが採取できるようになるには、
約15年を要すると言われています。

この植物性のロウである「カルナバ蝋」を表面に塗り込み、
桐の呼吸を妨げずに表面に艶をだし、汚れなどを防ぎます。

主人は「カルナバ蝋」を塗っているときの匂いが
好きなようです。
カルナバ蝋そのものの匂いを嗅いでみても、
あまり匂いもなく、特徴的な匂いはしないのですが…
木に塗り込むと、何とも言えないほのかな、
いい香りがして落ち着くそうです。

桐タンスは、この様な優しい天然の素材を使って
仕上げています。

 

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桐タンスが3段なのは・・・

桐箪笥は、様々な形がありますが、高さのある桐箪笥は、
3段に分かれている物が多いです。
運搬しやすいこともあり、分かれているんだろうと
当たり前に思っていたのですが、さらに理由があるそうです。

《そもそも桐たんすを使うようになったのは・・・》
庶民がタンスを使うようになったのは、江戸時代の中期で
欅(けやき)の木を使っていたそうです。
とても重く、樫の車をつけて引いて移動させていましたが、
男性でも引くのに苦労したようです。
タンスを車なしでも持てるように、桐を使って軽くしたのは
幕末になってからです。
それでも今のような3段ではなく、1段で高さも低く、
補強のため金物が多く打ちつけられ、
運搬するにはまだ重く、苦労したようです。

《桐たんすが3段になったきっかけ》
江戸中期の桐箪笥は担ぐために背を高くできず、
1段でした。
明治になると2段重ねになり、女性でも持ちやすく
改良されてきました。
3段重ねになるのは、東京では大正の末期、
13年のことです。
関東大震災の翌年に一斉に3段重ねになったそうです。
震災時に2段重ねのタンスを持ち出すには重かったのか、
もっと軽くして、もっと早く逃げたいと思い、3段重ねに
したのではないかとも言われています。
すでに3段重ねのタンスは京都などでは、
軽くて収納力のあるタンスとして普及していたそうです。
参考文献『木のある生活』秋岡芳夫著

《女性でも持ち運べる》
3段に分かれる桐箪笥のうち、中身が空の場合、
桐箪笥1段が15㎏前後なので、
1段なら女性一人でも持てます。
中身が入っていたら二人で持ち運べます。

《桐たんすの変遷》
昔の古い桐箪笥や、おばあちゃんの桐箪笥をみると、
側面には棒通しや把手がついていますが、
現在の桐箪笥には見受けられません。
たまに最近の桐箪笥でも、昔の名残を残し、
飾りとして棒通しや把手が付いているものもあります。
しかし実際に桐箪笥の棒通しに棒を通して担いでいる人を
見かけたことはありません。

昔は嫁入りの時に持参し、生活の道具として
移動したり運搬したり、何かあった時、家財を守る
非常持ち出し用の運搬具として桐タンスを作りました。
今は桐タンスと言うと、調度品や高級家具としての
イメージが強く、持ち運んで移動するという
イメージはありません。

時代の変化と共に桐たんすの姿・形や金物も変わり、
運搬する機能がなくなりました。大きさも最近は
大きく華美なものよりは、小ぶりな小袖たんすに
人気があります。
私たちの暮らし方で桐たんすも変化していき、
桐たんすの変遷をみていくと、私たち日本人の
暮らし方がみえてくると思います。

桐タンスが分かれているのは、運搬しやすいという
理由ではあるのですが、時代や歴史の中で、
進化してきた形だったことがわかりました。
昔は運搬しやすくするために、3つに分かれた
経緯がありましたが、分かれているおかげで、
現代の生活で再び使うとき、分けて使うことができるので、
無駄がないなぁと感心してしまいます。

 

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桐タンスの『カビ対策』

梅雨の時期、湿度が高い日が続くと気になるのが、
【カビ】です。
修理する桐箪笥にもカビが生えていたり、
「カビを取り除いて欲しい」といった依頼も多くあります。
修理例はこちら

桐タンスは調湿作用が高く、湿度が高いと膨張して密閉し、
中の衣類等を湿気から守ってくれます。
しかし桐タンスも様々な条件が重なるとカビが
発生してしまいます。
カビ
発生しやすい条件は、湿度が70~90%、温度が20~30度です。
桐たんすだから大丈夫と思われる方もいらっしゃいますが、
残念ながら、カビが生えてしまうことがあります。

また、昔に比べて今の住宅は高断熱高気密ですので、
発生しやすくなってしまいました。
この時期だけではなく、一年中発生する可能性があるので
注意したいものです。

【カビ】を発生させないためのポイント 
①風通しを良くして湿度と温度を下げる
☆湿気をため込まないためには、空気が流れる状態に
しておくことが大切です。
桐たんすは裏側も空気が流れるよう壁から少し離し、
風通しの良い場所に設置し、定期的に部屋を換気してください。

☆衣類をクリーニングに出すと、ビニールカバーが
掛かって戻ってくることが多いと思います。
収納する時は、ビニールカバーを外すか
通気性が良いものに変えることをお勧めします。

②カビの栄養となる”ほこり”や”皮脂”などの汚れを取り除く
☆衣類・着物等を収納する時は、すぐに戻さず衣桁・ハンガーに
かけて湿気やほこり、よごれを十分取り除いてからにして下さい。

☆桐タンスのほこりは、乾いた柔らかい布で表面を
優しくぬぐってください。
乾拭き
大切な桐タンスにカビが生えると、嫌な臭いだけでなく、
アレルギーなど健康面も心配です。
また桐タンスだけでなく、収納していた大切な衣類や着物も
傷めてしまい、気持ちが落ち込んでしまうと思います。。

一度生えたカビを取り除くのは大変です。
そのため、日頃からのお手入れが重要です。
それでも生えてしまったら、削り直し等でカビを
除去することで、清々しく桐たんすが使えるようになります。
あきらめずに一度ご相談ください。
ご相談はこちらからどうぞ

 

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