ハーモニカたんすが続いています

本日は秋分の日。
今日を境に夏から涼しい秋へと変わり初め、
夜の長さが長くなっていくのですね。
この辺りも稲刈りを終えた田んぼのあぜ道に
彼岸花が一斉に咲き、のどかな山里の風景が
だんだんと秋色になってきました。


さて、現在再生作業中の桐たんすは、
またまたハーモニカたんすです。
連続してハーモニカたんすを
再生するのは珍しいです。


今回のハーモニカたんすは、上台の奥に
埋め込まれていたハーモニカが本来の位置から
外れてしまっていて、逆さまの状態になって
挟まっていました。

あれ?おかしいな?と思い、慎重に
バールを入れると、簡単に外れました。


下の写真は、そのハーモニカの全貌です。
通常は、本体の奥に埋め込まれているので、
私もこんなにまじまじと見ることができたのは、
今回が初めてです。



吹き口のある本体に突起状の爪の
リードプレートが付いた、とてもシンプルなもの。
楽器としての通常のハーモニカは、
吹き口の本体を吸音プレートと吹音プレートで
挟んであるようですが、たんすのハーモニカは
一枚のプレートに吸音と吹音のリードが
一緒になったもので、良くできているなぁと
見入ってしまいます。

引出しを出したり入れたりするたびに、
吸ったり吹いたりするのと同じ空気の流れを生み、
それぞれのリードが震えることで、
音が鳴っているようです。
この仕組みを箪笥と結びつけた、
昔の職人の知恵と発想力、遊び心に改めて
感銘を受けました。

小学生のころ、このような仕組みも知らずに
吹いていたハーモニカ。
このような形で再会できるとは思っても
みませんでしたが、懐かしい音が再び響くよう、
再生したいと思います。