引出しの滑りをよくする、イボタ蝋

以前、桐タンスの表面の仕上げで使う
「カルナバ蝋」を紹介しましたが、
引出しの滑りをよくするためには
「イボタ蝋」というものを使っています。

なかなかパンチのある名前ですが、
イボタの木に寄生する、
カイガラムシの分泌するものから得る
天然蝋です。

イボタ蝋とは・・・
カイガラムシの一種・イボタロウムシ
(イボタノキなどモクセイ科の樹木に寄生する)の
雄幼虫が、イボタノキの枝の周囲に群生して
分泌した棒状の蝋塊より得られる蝋。
固く融点が高い。

木製品や生糸のつや出し、襖や障子の滑りを
よくするため、また、掛軸や巻物の裏側に
擦り込んで巻き取りやすくしたり、
微粉末として古いSPレコードの
再生を助けるためにも用いられます。

桐箪笥に限らず、引出しの滑りが悪いなと
思ったら、ロウを塗るとスムーズに引き出せます。
木製の戸や襖、障子などの建具にも、
使うと滑りがよくなります。

引出しの滑りを良くする使い方
①引出しの側面の全体を、ジグザグにロウの
面を使ってささっとこする。
②底板全体が地板に接している場合は、
底板全体に塗ります。
③本体も引出しと接する面に同じように塗ります。

もし滑りの悪い引出しなどで困っていたら、
試してみてはいかがですか。

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