三重県 Kさま 100年前の桐たんす
ご友人から譲り受けられたのを機に今回再生に出されました。100年程前のもので、大阪のご友人の曽祖母さまの桐たんすだそうです。お選びになった「時代ねず」は、元々付いていた民芸調の金物ともよく合い、落ち着いた重厚感のある桐たんすになりました。同じく譲り受けられた朱色の帯を桐たんすの上にと考えておられ、設置した後に飾って見せていただきました。帯を準備して、直るのを楽しみに待っていてくださり嬉しく思いました。
桐は柔らかいので、長く使い込まれた桐たんすは角が擦れて丸みを帯びているものが多いです。きれいに欠き取り、新たに材を入れて角を再現し手で触れたとき痛くない程度に面を取って仕上げます。再生前は見えない部分に虫食いなどの損傷がありましたが、材を張り替え、傷んだ引手の部品も新しいものに交換しましたので、これからまた長くお使いいただけると思います。