三重県Kさま 祖父の思いが詰まった母の桐たんす

70年程前のお母さまのお嫁入りの際、お祖父さまが家具屋さんの店先で娘の嫁入り道具にと以前からお考えになっていた桐たんすで、Kさまもその当時のお話を昔から聞いておられたため、思い入れ深い桐たんすとお話していただきました。

再生前の桐たんすは扉の金物などが交換され、ご自宅で修理された跡も見受けられ、直しながら大切に使われてきたことがうかがえました。再生され、表面は桐の木目の風合いやあたたかみが感じられる時代仕上げ(時代ブラウン)となり、新しく仲間入りした銀古美色の金物や引戸の唐紙により、和モダンな印象の桐たんすによみがえりました。京都の唐長で、ご夫婦でお選びになった唐紙は、華やかさの中に落ち着いた静けさも感じられ、お母さまの桐たんすの新たなお顔になりました。

扉の左右の隙間や鍵周りなどご自宅で修繕された跡が見受けられました。欠けや隙間など木地を修復して扉の金物も新しいものに交換しましたので、再びきちんと開閉できるようになりました。