桐タンスの金物について

古い桐箪笥を見ると、味があるなぁと
見入ってしまうのですが、
その桐箪笥に付いている金物も、
それぞれに味があります。

シンプルなもの、手作りのもの…
年数を経た金物を磨いてみると、
艶やかな金色だったりして、
”これがこの色になったんだぁ!!”と
時の経過を感じさせてくれます。

古い金物を再び使うことは、丁寧に外し、
磨いて、塗装をし直すため、手間のかかる
作業ですが、大事にしたいと私たちは
考えています。

長い間、桐タンスと一緒についていた金物は、
今では作られていないものもありますし、
経年変化した金物の色に、お客さまも愛着を
感じておられると思います。
同じものには出会えない、手作りの物などは、
大変貴重ですので、出来る限り、元々付いて
いた金物を使えればと思います。

直して使えるのであれば、直しながら使い続ける
のも良いかもしれませんが、劣化によって
使えなくなり、交換する必要がある物もあります。
扉の開閉に使う丁双は、長い間の使用による
劣化が大きいので、これから先のことも考え、
新しいものに交換しています。

桐タンスの印象が変わるアイテムの一つ、
金物。
「古い金物はすぐに壊れてしまうから
全て交換します」と言われて、重厚で
趣きのある元々の金物をすぐに劣化して
しまうような安価な金物に交換されてしまい、
雰囲気が変わってしまったと後悔される方も
おられます。

私たちは、『元々の雰囲気を残しつつ、
今の暮らしの中でもしっかりと使えるようにしたい』
『雰囲気を一新させたい、新しい金物に変えたい』
など、様々なご希望を伺いながら、
再生・修理していきたいと考えています。

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