桐タンス修理~焼き作業で

あたたかく感じられる日が続き、
作業着の上着を一枚脱いだせいか、
気持ちまで軽くなったような気がする今日この頃です。

今回は桐箪笥の焼き作業後に、
ふと思い浮かんだ言葉についてお伝えしたいと思います。

最初は、木地修理後の写真です。

ほとんどの棚板と引出しの上端に、
大きな隙間があった桐箪笥でしたが、
桐材を張って、隙間をなくしています。

その後、表面をガスバーナーで焼いたところです。

『桐たんすは、身を焼いて中身を守る』

焼き終わった桐箪笥を眺めた時、
ふと、この言葉が頭に浮かんできました。

桐は他の木に比べて熱を伝えにくいので、
火にも強く、火事の際は火の周りが遅いです。
さらに消火のために水がかかると膨らんで、
隙間を塞ぐので、中身の品物を守るということから、
このように言われています。

少し切なさを感じてしまう言葉でもありますが、
火事という過酷な状況においても、
中の品物を守っているタンスに
懐の深さを感じます。