桐タンス修理例 愛知県名古屋市Tさま

今回再生された桐たんすは、明治生まれの
お祖母さまのお嫁入り道具です。
ご自宅で修理された跡が背板などに見受けられ、
直しながら大切にされてきたことが
うかがえる桐たんすでした。

修理前の桐たんす

北海道釧路市のご実家で保存されていた
桐たんす2棹を名古屋のご自宅で再びお使いに
なりたいとお考えになり再生されました。
今回は2棹のうちの昇りたんすのご紹介です。

透かしが施された鍵の部分の金物も洒落ていて、
桐たんすのかわいらしい雰囲気をさらに
引き立ててくれています。

再生後の桐たんす

上台+中台:とのこ仕上げ(とのこ赤)
下台+鉄脚:時代仕上げ(時代赤)

3台に分かれる桐たんすを小袖たんす、
民芸調のチェストの2つのタイプに再生。


金物は新たに金消し色の引手に交換し、
透かしが施された鍵の部分の金物は、
引手と同じ色にメッキ直しをして残しています。
金消しの金物は、とのこ仕上げ(とのこ赤)と
よく合います。

リビングに設置後の桐たんす

「下台+鉄脚」の金物は、隅金具や丸座錠などの
民芸金物と一式交換しました。

ご紹介はまた次の機会になりますが、
もう一棹の桐たんすも3つに分けて横に並べて
設置させていただきました。

Tさまからは、「想像していた以上に
素晴らしい仕上がりで、大変感激いたしました。
昨日も今朝も、それぞれのタンスをありがたく
眺め、おおいし様の技術のすべてをお出し
いただいた5点に大変満足しております。」
とのお言葉をいただきました。


桐たんすには再生完了後、不具合等が出ないか
様子を見るため、納品までのしばらくの間、
和室で過ごしてもらっています。
お届けをして我が家に帰ってくると、
和室が広く感じられ、少し寂しいような、
無事にお手元にお返しすることができ、
ほっとしたような気持ちになります。


それぞれの桐たんすのことを嬉しく思って
眺めておられるご様子を伺うと、
再生することができて本当に良かったと思い、
改めて桐たんすの持つあたたかさを感じています。