桐タンス修理例 京都府Sさま

暖かくなってきたと思っていたのですが、
昨日こちらは霰が降り、
今朝は雪がちらついていました。
どうりで寒いはずです。
ようやく咲き始めた我が家の梅の花も
凍えそうにしておりました。
春なの?冬なの?という気候ですので、
服装を間違えないようにしたいものです。

さてさて、日々の修理作業に時間を要し、
作業終了後はバタンキューで、
桐たんすの修理例など、
昨春はじめにお届けしたものから、
ご紹介できていないものがありますので、
今後少しずつご紹介していきたいと思います。
再生される際の参考にしてくださいね。

それでは今回は、お祖母さまの
一間箪笥を
受け継がれた京都府Sさまの
桐箪笥修理例です。

修理前の桐たんす

間口(幅)が180㎝と大きいですが、
下台は幅90㎝の小袖たんす2つと
引戸や小引出しのある上台と3つに
分かれる桐箪笥です。

ご自宅へ運んでこられた際に、
下台に上台がきちんと元のように
載らなくなってしまったと
お問い合わせいただきました。

修理後:仕上がりの色:時代仕上げ(時代赤)

元々表面は関西地方で好まれた赤い
とのこ仕上げだったと思いますが、
砥の粉がとれて、桐の木地が
あらわれていました。
明るい茶色に経年変化した再生前の
おばあちゃんの桐箪笥の雰囲気に近い色に
ということで、時代仕上げ(時代赤)
を選ばれました。
金物の箱引手も小豆色でかわいらしく、
時代赤とも良く合っています。

重ねることができなくなっていた
上台と下台もきちんと重ねられるよう、
がたつきを調整ました。

背板などに、ご自宅で修繕された
跡があり、直しながら大切に使って
こられた様子が伝わってきました。
少し離れた場所に住んでおられる
お祖母さまも桐箪笥の再生を楽しみに
しておられ、納品後に見にくる予定と
伺いました。
お孫さんご夫婦のお家に遊びに出かけると、
そこには再生された自分の桐箪笥が
在り、大事に使ってくれているというのは、
嬉しくて何とも言えない安心感に
包まれるのではないのかなと
想像してしまいました。