桐タンス修理例 埼玉県 Yさま

仕上がりの色:オイル仕上げ(ライトブラウン)

今回再生された桐箪笥は、
「お嫁入り道具として、母が持たせてくれた
桐たんすだから、捨てることができない」
というお母さまの思いを大切にされて
譲り受けられました。

修理前の桐たんす

(木地修理後)

表面を削った後、木地調整した塗装前の桐タンス。
引出しや台輪に部分的にアクが見られました。
黒っぽくなっている部分です。

仕上がりの色のライトブラウンは、木地の色の
影響を受けやすい半透明ですので、アク部分と
白い部分とで色の違いが出ます。
自然の特質ですが、気になられる方もおられるので、
いくつかの対処法をお伝えし、相談させていただき
ました。

Yさまは、多少の色の違いは味とお考えになられ、
この木地のままで予定通り、ライトブラウンに
なりました。

(再生後)

三つに分かれる桐タンスを上台+下台、
中台+鉄脚にして、ローチェストとして
使われることになりました。

上台+下台(右側)は、元々のお母さまの
桐タンスのイメージを残せればということで、
金物も経年変化した色を残し、そのまま
取り付けています。


中台+鉄脚(左側)は、和モダンな印象になれば
ということで、金物は黒で磨き、四隅に取り付ける
鉄脚の高さは、台輪と同じ75㎜で製作しました。

お祖母さまやお母さまの思いが詰まった、
子供の頃から慣れ親しんでこられた、桐箪笥だと
思います。再生によって、暮らしに合わせた
自分好みのチェストと元々の面影を残した新たな
桐箪笥となっても、見るとホッとできて、
家族のつながりを感じられる、Yさまだけの
オリジナルの桐箪笥になったと思います。
お母さまにも喜んでいただけると嬉しいです。