桐タンス修理例 京都府 Sさま

仕上がりの色:とのこ仕上げ(とのこ黄)

今回再生された桐箪笥は、お母さまから譲り受けられた
40年程前の桐箪笥すです。

表面が黒っぽく変色してしまっているため、きれいに直して、
ゆくゆくは娘さまにも譲ることができるようにと考えられ、
再生されることになりました。

修理前の桐たんす
 
傷や凹みがあり、金物は経年による劣化が見られ、
所々、メッキが剥がれた状態でした。

(納品時)
 
金物は、元々の色と同じ古美(ふるび)色に
メッキ直しをし、扉の丁番も劣化が見られたため、
新しいものに交換しましたので、
これからまた長くお使いいただけると思います。

伊賀くみひもの房

「伊賀の方に修理をお願いするのだから」
ということで、おおいしオリジナルの
伊賀くみひもの房もご依頼いただき、
今回Sさまの桐箪笥に仲間入りをしました。

元々ついていた房が『菊結び』という飾り結びの
房でしたので、伊賀くみひもでも、同じ飾り結びで
製作していただきました。
結んだ形が菊の花に似ていることから、菊結びと
呼ばれ、延命長寿の意味をもつ、縁起の良い
飾り結びです。

再生前に、娘さま方も一緒に、仕上がりの色や
房の色など、桐タンスに合わせながら選んで
もらったことが印象に残り、とても嬉しかったです。

今後は、七五三の着物も収納されると伺いました。
着物を着せてもらう嬉しい気持ちなど、
この桐たんすが娘さまに受け継がれるまでにも、
多くの思い出が刻まれそうです。