桐たんすの記録

桐たんす再生工房おおいしオリジナルの「桐たんすRecord」

お客さまの桐たんすの記録を「桐たんすRecord」にまとめ、お渡ししています。

桐たんすはお客さまにとって、かけがえのない存在だと考えます。再生作業をしていると、桐たんすの底板に、墨痕鮮やかに父親や娘さんの名前、日付が書いてあったり、「○○○○年、江戸の大火を逃れる」等、桐たんすや家族の歴史が残されていたり、昔の新聞や広告、小物など、思わぬ物がひょっこり出てくることがあります。またお客さまの桐たんすには、たくさんの思い出とともに、昔の桐たんす職人の技も、たくさん詰まっています。

桐たんすを実際に拝見し、そういった技や組み方、桐材や木目についてお伝えすると、桐たんすへの興味がさらに増しておられるように感じることがあります。

お客さまの桐たんすに関するエピソードや修理前の桐たんすの状態や再生したからこそ改めて出てきたことを記録として残しておくと、桐たんすの今後の保持や次の世代に継承された時、修理に出す際の参考にしていただけるのではと考えるようになりました。

桐たんすは、半永久的に使える万年道具です。
次の世代の方が、「桐たんすRecord」を見つけて、「桐たんすって直すと使えるようになるんだ」と想いを受け継ぎ使いつづけて欲しいという願いもあります。

「桐たんすRecord」は ”今までの思い出もこれからの桐たんすも大切にしていきたい” との思いを込め、修理前の状態や、修理の様子などの写真を交えて収録した4~5ページ程のお手製の小冊子です。直す前の面影も残りますので、思い出のアルバムの一つとしても貴重な記録になり、直した後の桐たんすと見比べてみるのも楽しいと思います。また、大切な桐たんすをお預かりしていますので、どのように直しているのかをご確認いただけるよう、作業の様子も載せています。

これからの桐たんすとの暮らしに、また次の世代にお譲りになる時はバトンのようなものとして役立てていただければと思います。