熊本県 Oさま 祖母が大切に使っていた桐たんすを当時の姿に

この桐たんすは、90年程前のお祖母さまのお嫁入り時のもので、二棹ある桐たんすのうち、一棹はお母さまが、この桐たんすはお孫さまが受け継がれ、「おばあちゃんが大切に使っていたのを知っているので、捨てないできれいに直して使いたい」ということで再生されました。金物を外すと元々の色がとのこ仕上げの赤色だったことが分かり、それをお伝えすると当時の姿を見てみたいということで、赤とのこに決められました。

木瓜の文様をかたどった引明け(鍵の金物)も上品で、天丸(天板と側板の角が丸い)の小袖たんすは、かわいらしい印象で「赤とのこ」が良く合います。下二つの引明けが外れてしまっていましたが、大切にとってもらっていましたので、金物屋さんに修理してもらいスライドするように直りました。引手や他の金物も金消し色に再メッキしました。お祖母さまのお嫁入り当時を感じられ、これからのお孫さまご家族の暮らしをやさしく見守ってくれる桐たんすになったと思います。