桐タンス修理~塗装・カルナバ蝋

時代仕上げのロウ引き中です。
今回はロウ引きに使う「カルナバ蝋」のお話です。

桐箪笥の表面の仕上げには、
艶出し、保護、防汚のために、
このようにロウを塗って仕上げます。

ロウと言っても、普通のろうそくや
アロマキャンドルとは材料が違うんですよ。
この深緑色の物が「カルナバ蝋」といいます。

他にも、白っぽいのや、深い茶色の物もあります。
ツヤツヤしていて、
大きいチェルシー(飴)のようです。

カルナバ蝋は、車が好きな方なら
使われているかもしれません。
最高級のカーワックスは、合成ワックスを
使わないでカルナウバ(カルナバ)ロウ100%を
謳っているそうです。

「カルナバ蝋」の詳しい説明
ブラジル産のカルナウバ(カルナバ)ヤシの葉から
産する植物ロウです。
天然植物ロウ中、つや・光沢性・強靭性・硬さ・
微結晶性などが最も優れ、他の油性原料を
まとめる硬度調整の機能が高く評価されています。
原料となるカルナウバ(カルナバ)ヤシは、
南米ブラジルの特産物で北東部に生育するものに
限られています。
その成長は遅く、ワックスが採取できるように
なるには、約15年を要すると言われています。

この植物性のロウである「カルナバ蝋」を表面に
塗り込み、桐の呼吸を妨げずに表面に艶をだし、
汚れなどを防ぎます。

「カルナバ蝋」を塗っているときの匂いが
好きなようです。
カルナバ蝋そのものの匂いを嗅いでみても、
あまり匂いもなく、特徴的な匂いはしないのですが…。
木に塗り込むと、何とも言えないほのかな、
いい香りがして落ち着くそうです。

桐タンスは、この様な優しい天然の素材を使って
仕上げています。