お客さまからのお便り 祖母の桐たんす再生が家族の喜びに

今回お便りをいただいたFさまは、
お祖母さまのお嫁入りの桐たんすを
受け継がれました。
戦時中、疎開される際に一緒に持ってこられた
桐たんすです。


ご依頼いただいてお預かりする直前、
忘れ物はないかな?と引き出しを
開け閉めされた際に、お祖母さまの
懐かしい匂いがして、
おしゃれ好きな人だったこと、
季節ごとに自宅から衣替えに行っていたこと、
また、亡くなる頃までずっと使っていたこと、
「そんな些細な事も思い出すきっかけになり、
嬉しくなりました」と教えていただきました。

お預かりするまでの時間に、桐たんすの中の
匂いから、ご家族でしか味わえない体験を
されていたことを知り、私たちもとても
あたたかな気持ちになったことを思い出します。


お届け後しばらくしてから、嬉しいお便りが
届きました。
「桐たんすもすっかり我が家に馴染んでおり…
今も飽きずに眺めては 大満足しています」との
お言葉とともに、お届け後の様子も送って
くださいました。


何を入れようか楽しみながら、
好きで集められた布バッグ、スカーフや風呂敷、
御朱印帳など、小物を・・・
一目で何か分かるようになり使い勝手がよく、
お気に入りの服なども収納されているそうで、
「私の宝箱のようになっています」と。

何故かたくさんあるというレースの手袋は
おしゃれ好きなお祖母さまのものと。
大切にされ手のぬくもりが伝わってくるようです。


そしてさらに、80年程前のお祖母さまの
お嫁入り当時にタイムスリップしてしまう、
荷送り時の貴重なお写真も送ってくださいました。
「その箪笥が今ここにあることがとても感慨深いです」と。

ご家族のはじまりともいうべき、まっさらな
桐たんすの写真。金物も艶やかに輝いています。


こちらの写真もトラックがレトロで、荷送りの
賑やかさや慌ただしさ、お祝いの雰囲気や
お嫁にやる寂しさなど、様々なことが感じられ、
貴重な記録として拝見させていただきました。


桐たんすを再生されたことについて、
Fさまからの「祖母の桐たんすを受け継いだ事に、
家族はもちろん叔母まで大変喜んでくれました。
私の勝手な思いだけの事でしたのに…みんなに
喜んでもらえ、本当に良かったと思っています」
また「見る度に祖母を思い出し、やすらぎを
感じます」との言葉を伺い、
再生後お客さまのお手元に戻ってから、
その価値はさらに何倍にも増えていくようで、
改めて桐たんすっていいものだなぁと感じ、
励みとなっています。

お孫さんの中でも一番長く近くにおられた
Fさまに大事に受け継いでもらって、お祖母さまも
桐たんすも安心されているだろうと思います。

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