桐たんす修理例 奈良県Kさま

新しい年が明けて早くも3週間が経ちました。
今週は日本中が大寒波で覆われ、今日はこちらも
雪が降りました。
屋外の水道管も布でぐるぐる巻きにして、
凍結に備えています。


今回ご紹介する桐たんすは、奈良県にお住いの
Kさまのお母さまのお嫁入り時のものです。
上台の小引出しを開けたり閉めたりするたびに
ハーモニカの懐かしい音色がするハーモニカ箪笥です。

再生前の中洋のハーモニカ箪笥

Kさまは幼い頃から、桐たんすというのは
ハーモニカの音が鳴るものと思われていたそうですが、
当工房のブログで、一般的なものではなくて、
珍しいものであることをお知りになり、
昔から好きで気に入っていた桐たんすに、
益々愛着がわいて、きれいに直してご自宅で
使いたいと考えるようになったとお話して
くださいました。

再生後の桐たんす

仕上がりの色は、とのこ仕上げ(とのこ黄)です。
やわらかな桐の木目も美しく映え、明るい印象になり、
お母さまのお嫁入り当時のような、本来の姿に
蘇ったと思います。


引手は、ご希望により古美色の七宝透かしの金物に。
それに合わせて鍵の部分の金物、前飾りや戸引手も
交換しています。


新しく仲間入りした伊賀くみひもの房も
桐たんすにやさしく寄り添っています。


また当初から、お母さまのお嫁入り道具である
お揃いの小袖たんすも、今回のハーモニカ箪笥と
二棹並べてお使いになりたいと考えておられ、
この数年後に、再びご依頼をいただきました。
納品後の桐たんすとKさまとの嬉しい再会となりました。

再生前の小袖たんす(左)

横に並んだ納品後のハーモニカ箪笥が、
「きれいになって戻っておいで」とお見送りを
してくれているよう。

納品後の小袖たんす

小袖たんすもお揃いの金物になり、
無事に戻ってきたことにハーモニカ箪笥も
安堵し、一緒に喜んでいるようでした。

納品後には、「この桐たんすの再生をきっかけに
着物や小物類の整理も気持ちよくできました」との
お声をいただき、そのご様子をインスタグラムでも
ご紹介していただきました。
着物を収納される際に、着物全体の写真を撮り、
たとう紙の上に置いて、どんな着物が入っているか
一目瞭然となるように工夫されています。

お母さまの桐たんすが大切なお着物を守ってくれて
いるだけでなく、Kさまご家族をやさしく見守って
くれているようで、私たちも再生することができて、
本当に良かったなぁと嬉しく思っています。

これからも末永くご愛用されることをご家族の
お幸せとともに願っています。