桐たんす修理例 三重県津市Sさま

今回ご紹介する修理例は、お母さまの
お嫁入り時の桐タンスで、10年程前まで
お使いになられ、その後は蔵の中で
保存されていたそうです。

他にもう一棹、対の桐たんすがあり、
そちらはお姉さまがお使いになっている
とのことです。
こちらの桐たんすは、京都にお住まいの
息子さまご夫婦が受け継がれることに
なりました。

(再生前)
引出しの上端と棚板の間に隙間がありました。


(木地修理中)
引出しの上端に桐材を張り(白い部分)、
仕込み直しをしました。




(木地修理後)


(再生後)


(再生後)仕上がりの色:とのこ仕上げ(黄)



とのこ仕上げのやさしい風合いと
あたたかみのある引戸の色合いが
良く合っていて、見るとほっと落ち着きます。

(とのこ黄の木目)

棚板は、かまぼこ面が取られ、
本体は5枚組み接ぎでしっかりと組んであります。
元々も表面は黄色のとのこ仕上げだったと
思いますが、再び砥の粉で化粧をし直し、
やわらかな桐の木目がよみがえりました。
モダンな金物も素敵で、Sさまの桐たんすの
持ち味を活すことができ、大変嬉しく思います。