桐タンス修理例 三重県名張市Tさま

今回再生された桐箪笥は、お祖母さまの
お嫁入りのもので、着物の素晴らしさを
教えてくれたお祖母さまの桐箪笥に
大切な着物を収納してお使いになりたい
とお考えになり、お家の建て替えを
機に再生依頼していただきました。

修理前の桐たんす

扉や引出しなどに傷みはありましたが、
長きにわたり大切にお使いになられて
いたことがうかがえる桐箪笥でした。

修理後:仕上がりの色:時代仕上げ(時代赤)


元々表面は白っぽいとのこ仕上げ
だったと思いますが、経年変化して
慣れ親しんだ再生前のおばあちゃんの
桐箪笥の雰囲気に近い色に
ということで、時代仕上げ(時代赤)
を選ばれました。

また、前飾りの房が一つ無くなって
いましたので、伊賀くみひもの房を
ご提案させていただきました。
「これも素敵やなあ」と何度も
見本の房を桐箪笥にあてながら房の色を
決めていただきました。

再生前の前飾り

再生後の前飾り



再生前の房はシンプルな結びでしたが、
伊賀くみひもの房では、くみひもの部分
を楽しんでいただけるよう、几帳結び
という結びのある房となり、Tさまの
桐箪笥に新しく仲間入りしました。

再生後、お祖母さまの妹さまから、
おばあちゃんのお嫁入りの時の
桐たんすにまつわるお話を
初めて聞かれたそうです。
その内容を後日教えていただき、
一棹の桐たんすの中に、ご家族の
つながりや深い思いが秘められていて、
これからも桐たんすの中にどんどん
積み重なっていくことを想像し、
再生することができて、
本当に良かったなと改めて思いました。